レディエッセを注入しました。不自然なので修正したいのですが出来ないそうです。
2017.09.12
お鼻プチ整形
「ヒアルロン酸より長持ちする」など広告上ではメリットを並べて聞こえのいいレディエッセですが、最大のデメリットは修正をしたくても非常に困難な製剤であるという点です。記事では、魅力的な広告の裏に隠されたレディエッセの危険性についてお伝えしていきます。
患者様のお悩み
しかし、ヒアルロン酸はなくなってしまうし、手術までは抵抗があるし、何か手軽に出来てなくならないような治療はないものであろうかと、誰しもが考えます。そういった心理を逆手にとって、広告上で聞こえの良いキャッチフレーズで宣伝されているのがレディエッセです。実際、ヒアルロン酸も正しい注入方法で行えば、何度も何度も行う治療ではなく、とてもリーズナブルに長持ちするのです。
かたやレディエッセは「なくならない」「長持ちする」などの宣伝文句ですが、実のところヒアルロン酸と変わりがありません。又、今回のケースのように気に入らないという場合には戻せないというデメリットもあります。
レディエッセは長持ちするという宣伝文句を利用して、通常のヒアルロン酸の2倍~5倍の高額な料金設定にしているクリニックが殆どです。美容外科は営利の要素が強い為、どうしてもこのような宣伝で効果の伴わない高額な治療を行うクリニックが後を絶ちません。患者様も知識を身につけて、治療を選択して頂けると良いでしょう。
以下レディエッセについて、私新宿院院長の津田より詳しくご説明させて頂きます。是非ご参考になさってください。
レディエッセとは?
持続期間が長いプチ整形!?
それではまず、レディエッセとはどのようなものか簡単にご説明させて頂きます。
レディエッセとは、プチ整形の一種で、ヒアルロン酸やボトックスのように、注射を用いる治療で、歯や骨を形成するカルシウムの一種「ハイドロキシアパタイト」という成分が主成分のジェル状の製剤です。
深いシワに打つことでシワを目立たなくしたり、鼻を高くしたり、顎に入れて輪郭をシャープにすることができると謳われている治療になります。
同じような治療として有名な「ヒアルロン酸」がありますが、ヒアルロン酸の持続期間が約半年であるのに対し、レディエッセの持続期間は数年と言われており、プチ整形ながら長持ちするのがメリットであると宣伝されていることが多いですね。
これだけ聞くと、一見、簡単にできる注射のプチ整形で数年も持つなら魅力的な治療に思えますよね。しかし、知っておいて頂きたい注意点やリスクも多くある治療でもあることを覚えておいて頂きたいと思います。
高さをキープすることはできない
ここではわかりやすく、鼻を高くする際のレディエッセを例にしてご説明していきたいと思います。
鼻の高さを出す美容整形として有名なのは、シリコンを挿入して高さを出す【プロテーゼ】です。プロテーゼはシリコンでできており、一度挿入すれば、半永久的に高さを持続することができます。
こちらの治療はメスを使う治療であるため、プチ整形に比べて手軽さは少なくなりますが、最大のメリットは【一度の治療でずっと高さをキープすることができる】ということでしょうか。
また、シリコンは固形の為、ヒアルロン酸やレディエッセなどのジェルに比べ、形をしっかりとキープしてくれるため、いつまでもシャープな鼻筋を保つことができます。
そして、万が一元に戻したい時は、一度入れたシリコンを取り除けば元の鼻に戻すことができます。
次に、手軽に鼻の高さを出すことができる【ヒアルロン酸】についてです。
ヒアルロン酸注入は、高さを出したい部分にジェル状の製剤を鼻筋に注入していきます。
治療時間はわずか5分程度で、治療しながら高さを確認することもできます。
なんといっても、手軽にできる治療なので、プロテーゼを入れるのは抵抗があるという方にも安心して受けて頂ける治療です。
ヒアルロン酸の持続期間は、鼻の場合1回目で約半年と言われています。(高さの実感ができる期間です)
ヒアルロン酸はジェルですので下図のように少しづつ馴染んでいきます。
患者様が持続期間として実感するのは、①~③までの馴染んでいく期間となります。
③の状態から、実際にヒアルロン酸が吸収されてなくなるのには5年程度かかります。
2回目以降馴染んだ状態のものに上乗せしていく形となりますので持続が長くなります。
2,3回注入した後は数年持続するのが一般的です。
こちらも万が一もとに戻したい時や、やはり半永久的な高さを希望してプロテーゼに切り替えたい方も、ヒアルロニダーゼという製剤を使い、溶解することができます。
そして、最後に【レディエッセ】についてご説明します。
冒頭で、レディエッセは、数年持続するとお伝えしました。
ここで患者様は【鼻の高さを実感できる期間が数年】と勘違いしてしまうのですが、実は違うのです。レディエッセもヒアルロン酸同様、ジェルでできた製剤であります。シリコンでできたプロテーゼとは違い、ずっとシャープで高い鼻を持続できるものではないのです。
上記のように、ジェルでできているレディエッセも、時間と共にだんだん高さを失い、馴染んだ状態で持続するだけです。単に③の状態の成分自体が吸収されないため残るというだけなのです。
ヒアルロン酸も、③の状態から実際に吸収されるまでの期間は5年以上かかります。
しかし、実際に患者様が実感している期間とは①~③までの期間なのです。
この馴染んでいく期間が、部位や患者様の状態によっても違いますが、半年から1年程度という事になります。
上記を理解すると、レディエッセを使用する意味がないことがわかるはずです。
レディエッセの「吸収されない」といううたい文句を聞くと、注射なのに、ずっとシャープで高さを保ったままキープできると思われがちですが、実はこれが大きな落とし穴であることを知っておいて頂きたいと思います。
③の状態で吸収されないというのは嘘ではないのですが、まさに広告のマジックですね。
修正できない理由とリスク
溶解剤がない
今回、患者様のお悩みに、【高くなりすぎた鼻を修正したいができないと言われた】というお声がありましたが、そのようなことがあるのかご説明したいと思います。
もし万が一、気に入らず元に戻したい場合、プロテーゼであれば抜くことができますし、ヒアルロン酸であれば、溶かして治療前に戻すことができます。
しかし、レディエッセはカルシウムでできており、溶解剤がないため一度入れてしまったら簡単にはもとに戻すことができないのです。そのため、今回の患者様がおっしゃられているように、すぐに解決する方法はなく、ジェルが馴染んでくるまで待たなければならないのです。
溶かせないカルシウムが体内に残ってしまう
レディエッセは溶解剤がないため、術後気に入らなかったときにすぐに戻すことができないだけではなく、高さがなくなりなじんだ後も、完全に溶けきることはほとんどなく、高さを失ったカルシウムが半永久的に残ってしまうリスクがあります。
ここでリスクとなってくるのが、レディエッセを注入した後にプロテーゼを入れたい場合です。過去にヒアルロン酸経験がある方は、一度馴染んだヒアルロン酸を溶解してからプロテーゼを挿入していきますが、レディエッセをしている方は、馴染んだレディエッセの下にプロテーゼを入れていきます。
時間の経過とともに、レディエッセがさらに馴染むと、プロテーゼも一緒に低くなり、せっかくの半永久的な治療であるにも関わらず、希望の高さを出すことができなくなるということがあります。
更に、プロテーゼは固形のシリコンである為、ヒアルロン酸やレディエッセに比べシャープ感が出やすいため、すっとした鼻筋を作り易いのですが、レディエッセが入っていると、せっかくのシャープ感も台無しになってしまいます。
また、もし万が一、アレルギーや感染などが起こった場合にも、体内から取り除くことができないという点からも実はリスクが高い治療なのです。
施術を受ける前に心得ておくべきこと
レディエッセの特徴について、上記で説明させて頂きましたが、ご理解頂けましたか?
・鼻を高くしたい
・顎をシャープにしたい
・シワを浅くして若返りたい
このようなお悩みで美容クリニックを訪れ、レディエッセを勧められた時は、一度しっかりとリスクを理解し、ご検討いただくことをお勧めします。
レディエッセは、【ヒアルロン酸よりも長持ちするのに、手軽な治療】ということで、
ヒアルロン酸の2〜5倍の料金設定であることも多いようです。
【手術は怖いが、プチ整形で簡単に、そして長持ちしてほしい】という患者様の気持ちにつけこんだような宣伝も多く見かけます。
1、レディエッセは溶解剤がなく、元に戻すことができない
2、レディエッセはジェル状の成分でできているので、高さを保ったままの状態で長期間キープすることはできない
3、高さを失った後は、馴染んだ状態で体内に残ってしまう
4、ヒアルロン酸や、場合によってはプロテーゼよりも高額になる可能性もある
ということをしっかりと知って頂きたいと思います。
- 私の見解では、レディエッセに対して、ヒアルロン酸以上のメリットは一つもないように思っています。理由はここまでで述べてきた通りです。美容医療を受けられる際には、患者様にも正しい知識を持った上で、治療に臨まれることをお勧めします。
この記事で取り上げているレディエッセについて、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【レディエッセの危険性(水の森美容外科 公式サイトへ)】
2017.09.12
お鼻プチ整形
食事が喉を通らないくらい気持ち悪いです(鬱っぽいです)。不安で仕方なくずっとびくびくしています。注入を行ったクリニックでは修正不可能と言われましたが吸収を早める方法とか何かないでしょうか?