顎のプロテーゼの手術をしたのですが物足りません。入れ替えは出来るのでしょうか?
2017.10.18
輪郭・小顔
顎のプロテーゼは、顎を前に出すことで美しい横顔、輪郭がすっきりとし小顔効果が得られると人気の高い手術です。ヒアルロン酸注入を繰り返している患者様にとっては一生モノを手に入れたいと、将来的にプロテーゼを検討される方も多い様です。しかし、手術後に希望の大きさと違う…といった失敗に繋がる場合も多々。当記事では、よくある顎のプロテーゼの不満について、詳しく見ていきます。
患者様のお悩み
確かに手術する前よりはいいですが・・・もう一度やり直して、もっと顎をしっかり出すような手術をしてもらうことはできるんでしょうか?
様々なご相談がありますが、今回は相反するご相談を2つ取り上げ、原因を解明していきたいと思います。
顎のプロテーゼは、輪郭や横顔を整えることができ、また一般にはあまり知られていない手術であるためバレにくく、人気の高い施術です。顎を変えるだけでより美人な顔へと変えていくことができます。
しかし、今回のご相談のように、シリコンの大きさに対する不満が出てきてしまうことがあります。顎プロテーゼは、患者様の輪郭、骨格に合わせて大きさを選び、さらにフィットするように医師がひとりひとりの状態に合わせてシリコンを削っていき、作成します。
医師がそのサイズ選定やシリコンの調整を怠ってしまうと、大きすぎるという不満が出てきてしまったりすることがあります。
また、医師の技術不足が原因であることも多く考えられます。大きいシリコンよりも小さいシリコンを入れる手術の方が容易なのです。
そのため、患者様の希望より小さいシリコンを入れてしまうケースも少なくありません。結果、患者様が満足できないということが起きてしまいます。
こちらの記事ではさらに詳しくご説明していきたいと思います。
顎のプロテーゼとは?
顎にプロテーゼを入れる目的
顎にプロテーゼを入れることで、【横顔】や【輪郭】を整えることができます。
【横顔を整える】
鼻の先と顎の先を結んだ線をEラインと呼びます。
このEライン上にある唇の位置によって美人であるかどうかが判断する基準と言われています。
【輪郭を整える】
輪郭が、四角かったり、下膨れのような方、丸顔でお悩みの方が多くいらっしゃいますが、顎のプロテーゼで整えることができます。
顎プロテーゼの手術方法
それではまず、顎のプロテーゼの手術方法から簡単にご説明させて頂きたいと思います。
②粘膜と口輪筋の間から進み、骨の方まで剥離していきます。
③骨と骨膜の間にプロテーゼを入れるスペースを作り、そこにシリコンを挿入します。
④最後に切開した切り傷を縫合して終了です。
傷口は吸収糸で縫合しますので、抜糸はありません。
口の中の粘膜は傷の回復が早い部分ですので、ご安心して頂けます。
術後は、挿入したプロテーゼがズレないように、3日間ほどテープで固定して頂いています。
希望の大きさ、顎が大きくなってしまった
今回のご相談のひとつは、
【入れたプロテーゼが大きすぎたため小さいプロテーゼと入れ替えることができるか】
という内容でした。
こちらのご相談について少し詳しく解説していきたいと思います。
顎が大きくなってしまった原因
まず、どうして術後にこのようなお悩みを抱えることになってしまったのかという原因から探っていきたいと思います。
考えられる原因としては、以下のようなことが多いように思います。
通常、顎のプロテーゼの手術の際には、術前に患者様の顎の状態を確認し、挿入するシリコンのサイズを決めていきます。もともと何種類もあるシリコンから患者様に合うサイズを選び、そこからさらに、ひとりひとりの骨格に合わせて削っていきます。
この際に、患者様に合わせたサイズのシリコンを選べていなかったり、きちんと輪郭などに合わせて削っていない場合、術後に不満を感じられる可能性があります。
つまり、医師の技術不足により術後に不満を感じてしまうパターンです。
ある程度しっかり顎を出したいという場合には、それなりにシリコンの高さが必要となります。
しかし、高さは出してもシリコンの形状はシャープな形に加工する必要があります。
顎を形成する際には、横顔で見たEラインの形成と正面から見たシャープな輪郭を形成することを目的としています。
その為、顎の高さを出す際には図のように高さはあっても、シャープな形状に加工しないと、正面から見て大きな顎になってしまうのです。
又、シャープな形状に加工されたプロテーゼの図を見て、顎がとがりすぎないか不安と思われる方もいるのではないかと思います。
しかし、大丈夫です。
以下の図のように、シャープに加工されたプロテーゼの上に厚い皮膚や皮下組織がある為、むしろ、これ位の形状に加工して、やっとシャープな輪郭が形成されます。
※医師も沢山の経験を積まないと、このような知識を身につけることはできません。経験の少ない医師ですと、しっかり顎を出す手術の場合には、大きすぎたというケースに繋がる場合も多いのではないかと思います。
患者様が希望とする理想と、医師から見た一般的なEラインの美しさに誤差がある場合、術後の不満に繋がりやすくなります。
患者様は、術前に
「控えめにしたい、しっかりと顎を尖らせたい」などこだわりがある方はきちんと伝えておくようにすると、術後の不満が出にくいかもしれません。
大きすぎたプロテーゼを小さいものに入れ替える方法
もし、顎のプロテーゼの手術を受けた後、「大きすぎた」と感じられる場合は、修正手術を受けることができます。
場合によっては、最初に入れたシリコンを抜き、その場で小さいシリコンを入れることで修正することもあります。しかし、状態によっては、一度シリコンを抜き、1ヶ月ほど様子を見てから、再度小さめのシリコンを挿入するという場合もあります。
これは、患者様の状態によって医師が判断していくものになります。
修正手術後は、最初の手術と同様、3日間ほどは固定のテープを着けて、シリコンがズレないようにしていくことになります。
希望の大きさよりもプロテーゼが小さく、仕上がりが物足りない
もう一つのご相談は、【理想のような顎の高さになっていない、物足りない】という内容のものでした。
先ほどのご相談とは真逆のご相談かと思います。こちらについても解説していきます。
プロテーゼが小さく、物足りないと感じる原因
結果的に顎にプロテーゼを入れても物足りなかったという場合、医師が意図的に小さいシリコンを入れている可能性があるのは、一般の方はご存じないかもしれません。
原因について詳しく触れていきます。
プロテーゼを顎に挿入する際には、上に上がってこないように、下図のような形状で剥離して顎にプロテーゼを挿入します。
口腔内から切開し、上図のように剥離してから、その隙間にシリコンを入れていきます。
通り道の剥離範囲が小さいと、大きなプロテーゼは挿入できません。
又、プロテーゼ挿入部の剥離範囲が大きすぎたりすると、プロテーゼがずれて曲がってしまいます。その為、的確にプロテーゼが挿入できる最小限の剥離を行わなくてはいけません。
多少ずれても小さなシリコンを挿入する場合はズレがわかりにくくごまかしがききますし、挿入も容易です。
大きなプロテーゼを挿入する際は、わずかなズレが目立つためごまかしがききにくいのです。
そのため、慣れない医師の場合、小さめのシリコンを挿入したがる傾向があります。そして、結果的に患者様が満足できないということが起こってしまうのです。
こちらの原因に関しては、「大きすぎた時」と同じく、患者様の希望が伝わっていないという時に起こりやすいです。しっかりと変化を出したい方は、事前に担当医師にお伝え頂くとよいでしょう。
小さすぎたプロテーゼを大きいものに入れ替える方法
顎のプロテーゼの手術を受けられた後に、シリコンが小さすぎると感じられた場合、修正手術を受けることができます。
最初に行った手術の際に、剥離したスペースでは、更に大きなシリコンを挿入することができない場合がございます。そのため、一度、小さすぎたシリコンを抜去した後に、もう一度剥離をやり直す必要があります。
大き目のシリコンが入るスペースを再度作っていく必要があります。挿入するシリコンが大きければ大きいほど技術を要する為、経験豊富な医師に依頼しましょう。
この際も、小さいシリコンを抜去してすぐに入れ直すか、または1ヶ月ほど感覚を開けてから再度入れ直すかは、患者様の状態に合わせて医師が判断していきます。
顎のプロテーゼを受けた後、シリコンの大きさで悩まないために・・・
ここまででご説明してきたことを踏まえて、顎のプロテーゼの手術を受けた後、シリコンが大きすぎた・小さすぎたというお悩みを持たないために、知っておいて頂きたいポイントを整理していきたいと思います。
⇒この作業を怠ってしまうと、シリコンが大きすぎるまま挿入されてしまい、結果として、「顎が大きくなりすぎた」「余計に目立ってしまう」などといったお悩みに繋がってしまうことがあります。
⇒術後、「物足りない」「もっと顎を高くしたかった」などと思われる方はこのような原因が大きいことが考えられます。しっかりと変化を出すためには、高度な技術を要する手術となります。
⇒上記から説明しているように、大き目のシリコンを入れるには高い技術が必要なため、簡単に行おうと小さめのシリコンを入れる傾向にあるので、しっかり変化を出したい方は特に事前に医師にその希望を伝えておくようにしましょう。
この記事で取り上げている顎のプロテーゼの施術について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【顎のプロテーゼの施術(水の森美容外科 公式サイトへ)】
2017.10.18
輪郭・小顔