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二重手術後、左右同じく手術をしたはずなのに、左右差が生じてしまうことがあります。どうして左右差が生まれてしまうのでしょうか。再手術はできるのかなど気になることがあると思います。
当記事では、左右差が出てしまう原因や解決策、左右差ができやすい人の特徴、医師の技術などについて詳しく解説していきます。

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患者様からのお悩み

【二重埋没法の左右差について…】

二重埋没法での二重手術をしたのですが、右目は自然な末広二重で、左目は平行二重なので左右の目のバランスが不自然です。カウンセリングでは2週間でだいたい腫れも幅も落ち着き、一ヶ月で自然な感じになると聞いたのですが、2週間たっても左右の幅が違っていて不安で仕方ないです。一日に何度も鏡を見て変じゃないかと確認してしまいます。

二重になれたことは嬉しいのですが、左右の差があるとやはり違和感を感じ変に見えてしまいます。 ネットで色々と調べ、第三者は多少の幅の違いなんか全く気にしない、必ずしも左右対称がいいというわけではないというコメントを見て、 自分の気にしすぎかな? と思ったのですが、手術をしたことを知っている母親から 「なんか左目だけ広いね。失敗?」 と言われてやっぱり変なのかな…とショックを受け、余計に不安になりました。 このままずっとこの目だと思うと手術なんてしなければよかったとさえ思ってしまいます。 2週間経っても左右差が目立つようなら再手術を考えた方がいいですか?

※患者様からのご相談より
二重施術後の患者様の不満として上記のお悩みの様な左右差が挙げられます。 微妙な左右差であっても気になる患者様もいれば、多少の左右差は気にならない患者様もおり、個々の感性も影響しているかと思います。
二重の左右差を作らない事は、美容外科医の永遠のテーマでもありますが、1000人手術を行い1000人とも全く左右差のない二重を作る事は至難の業です。 しかし、左右差は起きるものだからという気持ちで何の拘りもなく手術をする医師と、いかに左右差を無くそうと工夫して手術をする医師との間には、左右差が出る確率に雲泥の差が生じるでしょう。

誰が見ても明らかな左右差がある場合


誰から見ても明らかな左右差がある場合は失敗と言ってもよいと思います。 その様な場合は、手術をしたクリニックで誠実に対応してもらいましょう。 誠実なクリニックであれば、自身が行って明らかな左右差がある場合、無償(もしくはそれに近い料金)で対応してくれるはずです。 しかし、ごく軽微な差の場合は、何度二重の再手術をしても改善しない場合もあります。

あまりに微細な左右差を気にしすぎると、修正をを繰り返しかえって綺麗な目で無くなってしまう可能性が考えられます。 第三者の専門家に客観的に見てもらい、改善すべきかどうかを聞いてみるのも良いでしょう。 第三者から見てせっかく綺麗な二重を手に入れているのにも関わらず、ご自身だけが思い悩みドクターショッピングを繰り返している患者様がまれにいらっしゃいます。それは、とても勿体無い事です。 ※ドクターショッピング・・・いろいろな病院を回り続けること
患者様の目の状態によっては、元から目の開きの強さ・蒙古ひだの強さ・窪みの有無に左右差がある場合もあります。 これらの場合、通常の二重手術のみでは左右同じにならない事もあるのです。
患者様の元の目の状態により出た左右差の場合、『左右差が出る可能性があります』と術前のカウンセリング時に聞いていれば失敗と感じることは無かったかもしれません。 医師には、カウンセリングでのシュミレーションで上記の点もチェックしてご手術を提案していく事が求められます。

二重手術において左右差が出来る原因


二重手術において左右差が出来る原因としては、医師の技量によるものと、患者様の目の状態によるものに分けられます。 以下には、左右差の出来る原因と、それに対する当院の工夫も含めた解決策を説明させていただきます。

医師の技量による左右差

デザインによる左右差

目の開きを含め、その他の条件が同じ場合、デザインした幅が左右同じであれば二重に左右差が出る事はありません。 ここでは、左右のデザインを均等にマーキングする事が重要になります。

経験上… 1㎜ほどの左右差であれば大きな差に感じ、0.5㎜の差であれば個人の感性により左右差を感じる人もそうでない人もいる、という印象です。 0.5㎜ほどの差であれば修正の手術にトライする価値はあると思います。 0.1㎜ほどの差を常に気にして、修正しようとすると修正地獄にはなり、益々綺麗な目から遠ざかってしまうでしょう。

目のイラスト1【20161116】 当院の工夫と解決法

二重幅を一定にするため、まつ毛から二重までの長さを測る事も一つの目安ではありますが、どの部分を測るかで長さは大きく変わります。 二重は弧を描く様な線なので、測る位置によって二重ラインからまつ毛までの長さが変わるのです。また、計測したラインから同じ幅でマーキング出来るかというと、そう簡単でもありません。 まぶたの皮膚はとても伸びやすくほんの少しの力を入れるだけでも数㎜の違いが生じます。起きた状態と寝た状態でも変わるほどなのです。
目のイラスト2【20161116】

※計測する位置により、長さは微妙に違います。 まつ毛から二重ラインの距離は、二重を作成する部分にデザインペン(マーカー)で印をつけた後、丁寧に左右を確認するしか方法がありません。 そして、印をつけるマーカーの線を太く引かない事も大切な事です。 手術に使用するマーカーはとても滲みやすく、丁寧にデザインをしなければ太い線になってしまいます。 小さな事に感じられるでしょうが、印のラインが太いとわずかな誤差が生じます。そのわずかな誤差から0.5㎜程度の左右差につながりかねない為、医師は細かな所まで注意を払い手術を行っております。 2016-11-18 10.31.17

医師のシュミレーションが上手くできていない

実際に二重幅を患者様に提案する時や、作成したデザインで二重幅を確認する時、ブジーと言われる専用のスティックを用いてシュミレーションを行います。 このブジーを上手く使いこなすには、熟練した技量が必要とされます。
ブジー

患者様の目を開く強さや皮膚の厚みに合わせてブジーを当てなければ、術前のシュミレーションで誤差が出るため、正確に出来上がりの二重を提案する事が出来ません。 また、デザインの左右差も正しく確認する事が出来ません。 デザインをした後は、このブジーを用いて左右差などが無いかを丁寧に確認する作業がとても重要になります。
※最近ではコンピューターシュミレーションなどで術前に画像を加工し、術前術後のイメージを患者様にお見せするクリニックもありますが、シュミレーション画像のようになる保障はありません。 何故なら、実際の目元は患者様の目の開き・瞼の厚みなども関するため、出来上がりの二重に関しては、実際にブジーを当てて確認する以外にはないからです。 コンピューターシュミレーションでは、そこまで細かな情報を再現できるわけではありませんので、サービスの一つ程度と考えた方が良いでしょう。

・ブジーを使用しながらデザインをしている様子・
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・デザインにブジーをあてている様子・
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・ブジーによるシュミレーションでの誤差による例・
遠藤先生の目

当院の工夫と解決法

実際のお顔でシュミレーションを行うといっても、注意点は沢山あります。 患者様の中には鏡を見る時のみ目の開きが強くなる方もいらっしゃれば、鏡を見る時だけ眉毛が上がり幅が広く見える方もいらっしゃいます。目の開く力が弱い方もいれば、左右異なる場合もあります。 上記のような、目を開く際の癖を見極め、通常の状態の二重がどのように見えるかを適切に再現し、目を開く力に合わせてブジーを当てる必要があり、それには熟練を要します。
当院では二重手術を行う際にまず初めにこのブジー操作が適切に行えるかどうかを徹底的に教え込まれますので、全ドクターが適切にシュミレーションを行う事が出来ます。

患者様の目の状態による左右差

元々左右の目の開く力が違う場合

左右差が出来る原因の一つに、左右目の開く力が違う場合があります。 目の開きが悪ければ目を開けた時の幅は広くなり、目の開きが大きければ幅は狭くなります。 ①鏡を下に向け目を半開きで鏡を見ると、二重幅は浅く広く見えるかと思います。 逆に、②ご自身で上目使いで鏡を見て、グッと目を強く開けると、二重幅は狭くクッキリ見えます。 つまり、同じ二重であっても目を開く力によって、二重幅は変わって見える事になります。
目の開き画像
この他に、元から目の開きが悪い状態の方がいます。この状態を眼瞼下垂と言います。片目だけ眼瞼下垂がある場合、目を閉じた時にいくら左右同じ幅でデザインしたとしても、目を開いたときの幅や黒目の大きさに差が出ます。

当院の工夫と解決法

通常の二重手術では目の開きまでは調整しないため、目を閉じた時に左右同じ幅でデザインすると、目を開いたときに左右差が出ます。 これを解消するためには、目の開きの強さを考慮しデザインの幅を調整したりすることもあります。 (例えば、目の開きの悪い方の二重幅を狭くデザインしたりします。) 目の開く強さの違いは目を閉じた状態の幅をどんなに丁寧に確認しても判断できません。 両目にブジー(二重のシュミレーションをする器具)をあて、目を開いた状態でのシュミレーションを的確に行う事が左右差を出さない様にするためには必要不可欠です。

根本的な治療としては眼瞼下垂を治療することです。眼瞼下垂の手術で両目の開く強さを同じにすれば目を開いたときの二重幅や目の開きに差をなくし、左右差のない目にする事が出来ます。 二重手術を手掛ける際には、こういった部分まで見極め、患者様に手術提案をしていくことが美容外科医には求められます。

蒙古ヒダの左右差で目頭の入り方が違う

蒙古ヒダと呼ばれる目頭のヒダの強弱によって、二重幅が同じであっても平行型の二重になったり末広型の二重になったりします。 この蒙古ヒダの張りが左右で異なる場合があり、その時は同じ幅で二重手術をしても目頭側の二重の形が異なることになります。 以下にわかりやすく蒙古ヒダと二重のラインについて解説していきます。 図のように目を閉じた時に二重の出来る線は弧のような形となります。 目を開けた時には蒙古ヒダの突っ張りの為、目頭側にかけて二重のラインが狭くなっていきます。 目のイラスト4【20161116】 目を閉じたときの二重幅を広げていくことにより、少しづつ目頭側の幅が広く見えるようになっていきます。 目のイラスト5【20161116】 この蒙古ヒダの突っ張りが左右違うと、目を閉じた時の幅を同じにデザインしても、目を開けたときの目頭側の二重幅に差が出てきます。 目のイラスト6【20161116】

当院の工夫と解決法

このような場合に関しては、二重の幅を同じにするのか、目頭側の形を同じにするのか、シュミレーションの上で患者様との相談になります。 その際にも正しくシュミレーションできるかどうか、医師の技量が関係してきます。 根本的な治療としては、目頭切開を行い、左右の蒙古ヒダの突っ張りを同じにした状態で二重の手術を行えば、左右同じ状態に二重を作成する事が出来ます。

目の上の窪みの程度が違う

目の上に窪みがある患者様もいらっしゃり、その程度が左右違うと二重の見え方も異なります。 目を閉じた時に同じ幅でデザインしても、窪みの強い方は広く浅い二重になり、窪みが弱い方は狭い二重になります。 目のイラスト7【20161116】

当院の工夫と解決法

ブジーを使用してシュミレーションを行い、窪みがあり広く見える方の幅を狭くデザインして、大体で左右を合わせていくこともあります。 この際にも、ブジーを的確に使いこなしシュミレーションしていくことが大事になります。 根本的な治療としては、窪みにヒアルロン酸を注入して、窪みを治したうえで二重の手術をしたり、目を開ける力を強くする手術(眼瞼下垂)を行う事により窪みを出来なくして、左右差を改善します。

まとめ

患者様の術後の不満として起こり得る左右差に関しても、上記の記載のように様々な原因の下で発生します。 左右差一つとっても、医師には様々な知識や技術が要求されることがお分かりいただけたかと思います。

最近の美容外科は営利に走りすぎる事で、経験の少ない医師が診療に携わっている傾向が多い様に感じます。 そして、派手な広告宣伝ばかりが目立ちます。○○法など、いかにも聞こえの良い宣伝を目にしているうちに、患者様も良い医師を選ぶという視点から外れて、聞こえの良い広告宣伝に騙されてしまうケースが後を絶ちません。 CMで宣伝しているから安心、大手の美容外科だから安心などという考えは要注意です。 医師の技術というのは、広告宣伝では分かりません。 派手な広告宣伝に惑わされず、これらの知識を元にして、実際のカウンセリングに役立てていただければと思います。

この記事で取り上げている二重の施術について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

二重手術「埋没法」(水の森美容外科 公式サイトへ)
二重手術「切開法」(水の森美容外科 公式サイトへ)
目の総論(水の森美容外科 公式サイトへ)

2017.10.03

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