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患者様からのお悩み

シリコンを入れて胸を大きくする豊胸をしました。
手術から3ヶ月くらい経ちましたが、シリコンが上にズレてきているような感じがしています。
鏡で見ても、バランスがおかしいような感じがするし、手術した最初の頃、こんなに上だったかなと疑問に感じてしまいます。
手術をしてもらったクリニックに行って相談に行くべきでしょうか?
10代の頃から、ブラジャーを着ける必要の無いくらいな貧乳に悩んでいたため、一大決心で去年の1月に豊胸手術をしました。手術後は大きくなったことが嬉しくてとても満足していたのですが、最近になってシリコンの位置がどんどん上に上がってきている気がします・・・・。(1年は経過しました)
更に大きく見えるようにブラジャーで胸を寄せすぎたせいで移動してしまったのでしょうか?永久物ということで高い手術代金を払ったのに、これからもこのままだと思うと不安で仕方ありません。これは失敗なのでしょうか?

※患者様からのご相談

今回は、シリコンによる豊胸術を受けた後に、入れたシリコンの位置が上に上がってきてしまっているというご相談について取り上げていきます。
胸の手術の中でも、しっかりとバストアップすることができ、永久的に大きな胸を保てるため、興味のある方も多いのが、シリコンバッグを挿入する豊胸術です。
この手術は、ご自身のもともとのバストサイズや乳腺の状態、どれくらいバストアップしたいのかなどによって、手術の方法が変わってきます。そのため、経験の豊富な熟練した技術を持った医師の元で行うことがより安心であるといえます。

こちらの記事では、今回のご相談のような現象がなぜ起きてしまったのかを私、銀座院院長の末永が原因を踏まえわかりやすく解説していきたいと思います。

シリコンによる豊胸術について

手術方法

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まず、脇の下のシワの線に沿って数センチ切開していきます。
そして、その切開したところから、シリコンバッグを入れるスペースを作るため剥離していきます。その後、そのスペースにシリコンを挿入し、最後に脇の下の傷口を縫い合わせていきます。

シリコンを挿入する位置

シリコンバッグによる豊胸術は、バッグを挿入する位置が2種類に分かれています。
1つめは、大胸筋の下に挿入する【大胸筋下法】です。
そして、もうひとつが乳腺の下に挿入する【乳腺下法】です。

大胸筋下法か乳腺下法かは、患者様の体型や選択するバッグの種類によっても異なるので、カウンセリングの際に患者様の希望を伺いながらアドバイスさせて頂きます。

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大胸筋下法

【特徴】
●万が一、カプセル拘縮が起こってしまった場合も大胸筋でカバーされるので、乳腺化法と比較するとわかりにくい
●乳腺がほとんどない方(Aカップ以下)は大胸筋下の方がよい

【注意点】
●筋肉の下の部分を剥がして、その上にシリコンバッグを入れるため、術後の痛みが強い
●胸の谷間ができにくい
●大胸筋の下にシリコンがあり筋肉に押さえつけられるので、乳腺下法よりも硬い

乳腺下法

【特徴】
●胸に谷間ができやすい
●さわり心地が柔らかい
●垂れてしまっている胸を張りのある胸にすることが可能

【注意点】
●万が一、カプセル拘縮を起こしてしまった場合、表面と近いのでごまかしにくい
●乳腺がほとんどない人には向いていない(シリコンの形がくっきりしすぎてしまうため)

豊胸術の歴史

豊胸術がはじめられた当初は、乳腺下法が手法の主流でした。
しかし、その当時はまだ技術が今よりも進歩していなかったり、シリコンバッグの製品自体も現在よりも劣っていたことから、術後のカプセル拘縮や変形の頻度が多かったため、大胸筋でカバーできてごまかしがききやすい大胸筋下法へとシフトしていきました。
近年では、技術が確立してきたり、シリコンバッグの精度も向上し、カプセル拘縮や変形を起こすことはほとんどなくなってきたため、乳腺下法が主流へと戻ってきました。
大胸筋下法と乳腺下法との仕上がりを比較してみると、乳腺下法の方が明らかに自然で術後の痛みも軽いため、現在では大胸筋下法はやや時代遅れとなっています。

しかし、Aカップ以下の胸は、大胸筋下法の方が適しているということも多いので、体型や患者様の希望されるシリコンバッグなどから適した方法を使い分けるのがよいでしょう。
カプセル拘縮はごく少数の方に起こってしまう体質によるものであり、防ぎようがないとは言われていますが、実際には体質よりも、手術の手技や術後の管理不足により起きてしまう例もほとんどかと思われています。

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シリコンの位置が上に上がってくることはあるのでしょうか?

先ほどの項でシリコンバッグの豊胸手術には、大胸筋下法と乳腺下法があるということをご説明しました。
実は、バッグが上に上がってきたというのは、大胸筋下法の手術で起こり得る現象であります。

最近では、乳腺下に挿入することがほとんどですが、Aカップ以下の方のように乳腺がほとんどない方の場合、乳腺の下に入れるとバッグのかたちがくっきりわかりやすくなってしまうため、大胸筋下にいれることがあります。
その際には、術後シリコンが上に上がってくる恐れがあるので、手術を行う際には慎重にならなくてはなりません。
詳細をご説明していきます。

乳腺下法の場合

乳腺

シリコンバッグを挿入するスペースを作る際、乳房下溝まで剥がしてシリコンを入れていきます。乳腺下法の場合、筋肉に押さえられる心配がないため、このような方法でも上にシリコンが上がってくることはありません。

大胸筋下法の場合

大胸筋

大胸筋下法の場合は、乳腺下法よりも広範囲を剥離してスペースを作っていく必要があります。乳房下溝よりも1~2横指分下まで剥離してシリコンを挿入していきます。
又、大胸筋下法での手術でシリコンバッグを挿入する際は、大胸筋という厚い筋肉で上から押さえつけられるためバッグが上にあがってきやすいのです。

そのため、このように乳腺下溝よりも1〜2横指分下まで剥離していないと、上に上がってきてしまう恐れがあります。
バッグを入れるスペースを作る際に、きちんと剥離ができていないと、バッグが上に上がってしまい、胸の上から膨らんだような形になり見た目がとても不自然になってしまいます。

様々な失敗例

【片方だけ上に上がってしまっている】
片胸上がった

【両方上から膨らんでいる】
両胸上がった

豊胸術で失敗しないために・・・

シリコンバッグでの豊胸術は、ただシリコンを挿入するだけと簡単な手術と思われがちですが、安易に手を出してしまうと、今回のご相談のように術後さらなる悩みが出来てしまうことがあります。
手術を受ける前には、しっかりとご自身も知識を身に着けた上でカウンセリングを受けられることをお勧めしたいと思います。

今回の記事での重要な点をまとめていきたいと思います。

・シリコンでの豊胸術には、【大胸筋下法】と【乳腺下法】の2種類の方法がある
・現在は【乳腺下法】が主流だが、Aカップ以下の方などは【大胸筋下法】で行う方が望ましい場合もある
・【大胸筋下法】で手術を行う場合、シリコンが大胸筋に押さえられ上に上がってきてしまう恐れがある
・シリコンが上に上がってこないため、【大胸筋下法】での手術の場合は、剥離を十分に行う必要がある
・シリコンが上に上がってしまう原因は、手術手技による要素が大きいため、経験豊富な技術の高い医師を選ぶ

大胸筋下法で手術を行うという選択をした場合、剥離する範囲が乳腺下法とは異なります。
失敗を事前に防ぐためにも、カウンセリングの際に、しっかりと医師に確認してみることをおすすめします。
曖昧な回答や、きちんとした説明をしてもらえないなどの場合は、複数のクリニックにカウンセリングに行かれるといいかもしれません。

クリニックによって、術後のケアやマッサージ方法などのアドバイスも違ってくるでしょう。
シリコンバッグでの豊胸術は、アフターケアによってもその術後の経過が変わってくる手術であるため、きちんと術後のケアも行っているクリニックの方がより安心でしょう。

この記事で取り上げている豊胸術「シリコン挿入」の施術について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

豊胸術「シリコン挿入」の施術(水の森美容外科 公式サイトへ)

2017.02.23

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