脂肪溶解注射をしたのですが、効果が分かりません
2016.04.11
痩身・ボディ
「実際のところ、効果がでているのか分からない」という声をネット上や、当院に来院された患者様からよくお聞きする脂肪溶解注射(メソセラピー)。体に負担をかけず、短い施術時間で理想のボディラインになれるといわれているこの治療はその名の通り、脂肪を溶解し痩身効果を得るという治療です。そう聞くと、【手軽に注射だけで部分痩せできる、理想の治療】のように思えますよね。しかし、「脂肪溶解注射」とはあくまでも「プチ整形」の手軽な治療です。患者様も治療を受けられる前には、どのような効果があるのかをきちんと理解してから治療に臨まれる必要があるかと思います。
今回は、そんな脂肪溶解注射について、そもそもなぜ脂肪溶解注射は効くのか?どうすれば効果を感じられるのか?を相談内容を交えて紹介します。
患者様からのお悩み
それでは、脂肪溶解注射の効果を詳しくご説明していきたいと思います。
そもそも太って見えるのは何が原因?
まず、なぜ太って見えてしまうのかということからわかりやすく解説していきます。
上図をご覧ください。
左図はお腹の断面図です。一番外側には皮膚があり、その下に脂肪層があります。脂肪層の奥には筋肉層があり、さらに奥には骨や内臓があります。右図は足の断面図です。お腹と同じく、表面が皮膚、その下が脂肪層となり、筋肉層、骨とがあります。この構造はどの方も同じですが、どこが太くなっているかは個人差があります。
骨太の方もいれば、筋肉質な方もいます。一般的にダイエットや痩身の美容医療などで効果を発揮できるのは、赤い斜線で示されている「脂肪層」の部分になります。そのため、もともと脂肪が多い方の方が、治療の効果を実感しやすくなります。
脂肪溶解注射とはどんな治療?効果は?
気になる脂肪の部分に注射を打つだけというとても簡単な治療です。治療時間も約10分程度ですので、気軽に打って頂けるということで興味を持たれる方も多いかと思います。実際に、脂肪溶解注射で効果を感じやすいのは、頬や顎下などの「小さい部分の脂肪」です。注射できる範囲も小範囲となりますので、決まった部位に何度も注入することで「少しスッキリした」という風におっしゃるかたも多いです。顔の脂肪に対しては、ある程度の効果が出来るのではないかと思います。しかし、体に対しては、脂肪量の多い部分ですので、注射のみで大きなサイズダウンというのは難しいのが現実です。大きなサイズダウンや、見た目に大きな変化を求めるのであれば、焼け石に水にもなりかねません。
体に行うのであれば以下のようなニーズの場合が向いています。
②太腿の内側のみ、少しスッキリさせたい
③膝周りのみ少しスッキリさせたい
これくらいのご希望であれば、患者様のニーズも満たしてくれるかもしれませんので、脂肪吸引等の手術までは考えていないという患者様である場合、選択肢の一つに入れて良いかと思います。しかし、太ももやお腹などをしっかりサイズダウンさせたり、写真上や見た目上でも大きな変化を望むのであれば難しいというのが現状です。太ももやお腹をしっかりとサイズダウンしたいという方は、脂肪吸引の方が適していると言えます。
脂肪溶解注射の薬剤
以下には脂肪溶解注射の代表的な薬剤をご説明します。現在、脂肪溶解注射の代表的な薬剤はメソセラピーとBNLSというものがあります。それぞれについて説明していきます。
メソセラピー
体に対する効果は上記の説明のとおりです。顔に対しての効果は期待できるのですが、プチ整形という部類の割には1週間程度の腫れが強く出るというのが難点です。顔に対しては、以下に説明するBNLSは腫れがないため、こちらで行うほうが良いのではと思います。しかし、メソセラピーと比較すると多少割高になる為、当院では量が沢山必要とする体に対しては、患者様のコスト的な負担も考えメソセラピーを勧める事が多いといえます。メソセラピーも体に注射する場合は、腫れは気にならない程度です。効果もBNLSとは変わらないというのが、当院の見解です。
BNLS
最後に、脂肪溶解注射を選択する患者様が失敗しないためのアドバイスも記載いたします。
失敗しないためのアドバイス
脂肪吸引が提供できないクリニックも多い
最近では、美容皮膚科でも脂肪溶解注射を行っているクリニックが多いかと思います。美容皮膚科では手術を行える医師はいませんので「メスを使わない」ことをメリットとして広告宣伝を行っております。当然、効果の高い脂肪吸引を行えないのです。また、美容外科であっても、脂肪吸引の手術をきちんと行える医師がいなかったり、環境が整っていない場合は、手軽な脂肪溶解注射をすすめることも多いのです。そのようなクリニックでは、あえて脂肪吸引のメリットを伝えることはないでしょう。脂肪吸引に対するリスク(怖さを伝えたり、ダウンタイムを大きく伝えることもあるようです)を過度に説明し、脂肪溶解注射に誘導します。脂肪吸引の場合、ダウンタイムがあることや、手術できる環境や医師が整っているクリニックでしか受けることができないため、クリニック側からすると、脂肪溶解注射の方が手軽という事情もあります。
また、脂肪吸引の場合、手術に3〜4時間程度かかるため、手軽に10分程度で治療できる脂肪溶解注射の方が短時間に利益が生み出せるというクリニック側のメリットも実はあるのです。こういったクリニックでは営業カウンセラーの言葉巧みな営業で、多額なセットコースを勧めたりしますので、患者様も注意が必要です。
以下に、患者様のよくあるご要望とご要望に対する注意点および確認事項を記載させて頂きます。
細くしたい
【注意点・確認事項】
患者様には、ご自身がどの部分をどの程度細くしていきたいのかを明確にして頂く必要があるかと思います。
顎まわり、頬のあたりを少しだけスッキリさせたい。
二の腕の付け根の部分が少しスッキリしたらいいなと思う。
【注意点・確認事項】
このような方は脂肪溶解注射でも満足できるかもしれません。一度で劇的な変化というのは難しいですが、ダウンタイムも少ない為手軽に受けられると思います。しかし、部位によっては治療後に腫れが目立ってしまうこともあるので、事前にきちんとリスクも確認しておきましょう。
太ももを5センチ細くしたい。
お腹をスッキリさせ、さらにクビレが欲しい。
【注意点・確認事項】
このような方は脂肪溶解注射は向きません。たとえ10回治療をしても思い描く効果を得ることは難しいのが現実かと思います。ダウンタイムなどの問題もありますが、抵抗がなければ脂肪吸引をオススメ致します。
正しいクリニック選び
【ポイント】
ご自身が求めている効果がどの程度のものなのか、脂肪吸引自体の選択肢があるのかどうか、ご予算などこういった、患者様のニーズをしっかり把握し、患者様のご希望に合った治療をご提案してくれるクリニックを選ぶことが必要不可欠です。
美容皮膚科等での治療は、あまりお勧めできません。何故なら、手術の選択肢がないため、どうしても脂肪溶解注射を勧めるしかないからです。そして、殆どの美容皮膚科が商売として、多額のセットコースなどを勧めて利益を得ようとします。どうしても美容皮膚科を選択される場合は、ある程度の営業行為があるという現実も踏まえたうえで相談に行くのがよいでしょう。極力、その場で契約せず、一旦持ち帰ってから考えるという事が大事です。やはり、脂肪吸引も行えるクリニックで、双方のメリット、デメリットを正しく伝えて提案してくれるクリニックが安心です。
この記事で取り上げている脂肪溶解注射(メソテラピー)について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【脂肪溶解注射(メソテラピー)(水の森美容外科 公式サイトへ)(】
【脂肪溶解注射(BNLS)(水の森美容外科 公式サイトへ)】
2016.04.11
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