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患者様からのお悩み

先月、大腿部、臀部下の脂肪吸引を行いました。2000cc位吸引したそうです。写真を見せていただきましたが、写真では1700cc位に見えました。吸引して5週間目にはいりました。痛みはだいぶ落ち着いたもののまだまだ大腿部の内側の硬縮が強く正座やあぐらはできますが触ると硬いです。肝心なサイズですが1センチ程度しか変わっていません。なので細くなった・・・という実感がほとんどありません。スキニーやパンツをかっこよく履きこなす・・・現段階では無理そうです。最後の吸引と望みでしたのですごく残念です。ただ脂肪吸引の完成は3か月位待たないとわからないというのでまだ少しは細くなる可能性はありますが、脂肪吸引をした他の方の結果を見ると最初からー5センチ程度になり、そこから一時的にむくみがあり+1~2センチ程度になりますがまた1か月後にはー5~7センチくらいになりそこからしまって3か月ごにさらにー1~2センチという方が多いようです。最初の1か月が大幅なサイズダウンの時期であとは締まるだけなのではないかと思っています。このままほとんど変化がないと思うと残念でなりません。また写真を撮影すると毎回片側の下のお尻だけがずれて写ります。要するに片側だけ下がっているということです。腫れによるものかとも思いましたが取り残しではないかとも思います。。高いお金を払ったのに諦めるしかないのでしょうか?

※患者様からのご相談

脂肪吸引の術後に、患者様が抱える不満の一つに脂肪の取り残しが挙げられます。当院は脂肪吸引で有名な事もあり、毎日脂肪吸引のご相談に来院される患者様が多数いらっしゃいます。その中には、他院で行ったのだけれども効果に満足しない、すなわち取り残しに不満を抱え、再度脂肪吸引のご相談に来院される患者様も沢山いらっしゃいます。これらの患者様を診察すると、殆ど脂肪が吸引されていないケースもあれば、十分ではないにしろ、ある程度吸引はされている為、再手術するかまでは迷うケースもあります。中には、しっかり脂肪を吸引しているのにも関わらず、過度な理想を求めてご来院される患者様も稀にいらっしゃいます。当院では、手術を引き受ける以上は、患者様に満足して頂く事を第一前提としておりますので、診察の上、患者様の希望もお伺いして、どの程度効果が出るのかもお伝えしたうえで、再度脂肪吸引を行うべきなのかを、良く話し合って決めて頂くようにしております。

以下に、脂肪の取り残しという事をテーマに詳しく説明していきたいと思います。

術後の不満

皮一枚にすることは不可能

まず、知っておかなくてはいけないのは、脂肪吸引を行ったとしても脂肪をゼロにするという事は現実的に不可能です。患者様の中には十分な脂肪が吸引されているにも関わらず、患者様側の過度の期待によるものが不満に繋がるケースもございます当院では、脂肪吸引のカウンセリングを行う際、患者様への説明として、皮1枚にすることは不可能ですという事を、念を押して伝えています。そこまで求めている患者様は稀ですので、多くの患者様は上記の説明を聞いた時には笑みを浮かべて大丈夫ですとおっしゃってくれます。

不満を抱かないために

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何故このような事を伝えるかというと、患者さんの中には大変稀ですが、
「皮1枚にしてほしい」「カリカリになりたい」「バービー人形のようになりたい」
という希望をお伝えになられる方もいらっしゃいます。

このような、希望に関しては現実的に難しいため、どんなにしっかり吸引を行っても、術後の患者様の不満へと繋がる場合がございます。女性の中には、過度なダイエット欲で拒食症になってしまう方もいる位ですので、術前にこのような説明をしておくことは、クリニック側にとっても、患者様にとっても大変重要な事であると考えております。又、元来細くて脂肪吸引を行うような患者様ではないのに、ご来院される患者様は自分の皮膚をつまんで、こんなに脂肪がつまめるのですと言われる患者様もいらっしゃいます。実際に、皮膚には余裕がなくては体は動かせません。患者様がつまんでいるものは、皮をつまんでいるだけで、吸引出来るほどの脂肪はついていない場合もございます。

このように、患者様の過度な期待によるものが、取り残しの不満として解釈されているケースも稀にございます。しかし、殆どのケースは十分な吸引が行われていないケースといえます。

では、どの程度が取り残しで、どの程度が十分な吸引なのかという問題になってきます。

今回のケースのように、脂肪吸引の術後に取り残しという不満が出ないようにする為には、術者の技術的な要素も大事ですが、患者様も脂肪吸引というものに対する理解を深め、ご自身の希望に合ったクリニックや医師を選ぶ事が大事なのではないかと思います。

脂肪の構造


以下に脂肪の構造を説明していきます。

皮下脂肪層とLFD


脂肪の構造は皮下脂肪層とLFDといわれる2層に分かれています。

皮下脂肪層には細かい毛細血管や細かい神経、リンパなどが走行しています。
LFDには血管も神経もない、脂肪の塊のような層になっています。

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エステなどで行われる痩身マッサージは、マッサージにより皮下脂肪層の血流を即し、皮下脂肪を燃焼させるというものです、血管のないLFDはマッサージには反応しません。すなわち、ダイエットというのは皮下脂肪を少し薄くするだけで、LFDを減らすことは出来ないのです。

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脂肪吸引は、このダイエットに反応しないLFDを除去するという発想から生まれたものです。その為、従来の脂肪吸引はダイエットに反応しないLFDのみを除去するというものでした。しかし実際にはLFDのみの除去では効果が出ませんので、皮下脂肪層も吸引していく事で、脂肪吸引の効果は出るように発展しました。

最新機器の効果

今現在でも、LFDの除去しか行わないクリニックもあります。
当然、効果は低いため、術後の不満として、取り残しを訴える患者様は多いと想定されます。

LFDのみの除去

脂肪吸引のイラスト1【20161115】

LFDに加え皮下脂肪層も除去

脂肪吸引のイラスト2【20161115】

しかし、皮下脂肪層には毛細血管や細かな神経リンパなどが走行しています。皮下脂肪層も吸引するという事は、LFDのみの除去に比べ、毛細血管の損傷による術中の出血、細かい神経の損傷による術後の痺れ感、リンパの損傷による術後のむくみなどが出やすいといえます。勿論、重要な血管、神経ではないため、時間と共に回復します。(やってはいけないのは筋肉層を傷つけて出血させてしまう事です。)

この皮下脂肪層を安全にどこまで吸引出来るかというのが、クリニックや医師の技量に関係してきます。すなわち、皮下脂肪層までしっかり吸引出来る医師のもとで行えば、術後の取り残しの不満というのは発生しにくくなります。
術後の経過として、内出血、痺れ感、むくみなどは当然出るもので、これらの症状が少ないと宣伝しているようなクリニックの場合、十分な皮下脂肪層の吸引は行われていないと考えた方が良いでしょう。又、ベイザーなどの最新機械を使用すると、効果が高い、血管や神経を傷つけないため術後の経過が軽いなどの宣伝も多数見かけますがそのような事はありません。

以下の記事でベイザーの実態についても解説しておりますので、宜しければご参考ください。

最新の脂肪吸引機器《ベイザー脂肪吸引など》の裏事情」の記事はこちら

Aクリニック
LFDのみの吸引しか行っていない、術後の負担は少ないが十分な満足は得られない

Bクリニック
皮下脂肪もある程度は吸引しているが十分ではない 術後の負担はある

Cクリニック
皮下脂肪層まで十分吸引している 術後の負担はある

又、皮下脂肪層の吸引は難しく、むやみやたらに吸引を行えば凸凹の原因となります。しかし、あまり控えめに吸引しすぎても効果は出ません。

満足ができる施術とは

大切なのはギリギリまで取ること

他院の術後の患者様を診ている限り、60%位の脂肪を吸引している位が一般的なように思えます。多いところで70%といったところでしょう。

しかし、私どもは以下のように考えています。

患者様の理想値は医師が思っている以上に高く、通常の吸引では満足しないケースが多い。すなわち一般的な脂肪吸引で出せる効果と、患者様が求めている効果にはギャップがあります。実際に脂肪吸引に関しては、医師側はしっかり吸引を行っているのに、患者様は満足しないというケースが多数あります。患者様側からすると、まさに取り残しているという術後の不満であります。

私どもが多数の患者様を診てきて思うのは、患者様の満足の到達点は、吸引後に患者様がもうこれ以上は取れないなと感じて頂けるところなのではないかと思います。その為、当院では安全に凸凹しないように、ギリギリまで(90%程度)吸引することを追求して、何千例もの症例から、今の脂肪吸引を完成させることが出来ております。又、患者様は吸引量を気にする方が多いのですが、大事なのは吸引量ではなくて、その患者様の脂肪のギリギリまで取るという事です。

以下にわかり易く説明します。

不満が出るケース


不満な人

仮に総脂肪量が5000ccの患者様が一般のクリニック60~70%除去したとすると3000cc~3500cc吸引。
脂肪量だけ見ると多いですが、1500~2000ccの脂肪が残っている為、術後に取り残しの不満が出るケースが多いといえます。

脂肪吸引のイラスト4【20161116修正】

満足するケース

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仮に総脂肪量が3000ccの患者様が、当院で90%除去したとすると2700ccの吸引になります。上記の患者様と比較すると、吸引量自体は少ないですが、ほぼ脂肪を取り切っている為、術後に取り残しの不満が出ることはありません。すなわち大事なのは、吸引量は人ぞれぞれで、その人なりにもうこれ以上は取れないなと感じるところが、患者様の満足地点であるという事になります。

脂肪吸引のイラスト5【20161116修正】

又、誤解がないようにお伝えしておきますが、ギリギリまで取るとガリガリになるのではないか、女性らしさがなくなるのではと思われる方もいるかもしれませんが、そのような事はありません。むしろ、これくらい吸引して、はじめて患者様が納得する位程度の細さになるという事です。更にギリギリまで吸引するからと言って、ボディラインを無視するわけではありません。残すべきところは残します。

あくまで、必要な部分をギリギリまで吸引していくという事です。一般的な60%程度の吸引では、殆どの患者様が、実感が少ないあるいは十分な満足に達していないというのが当院の見解です。勿論、患者様によっては控えめに吸引したいという患者様も稀にいらっしゃいます。そのような場合には、ご希望通りに控えめに行う事は容易です。ギリギリまで吸引出来る医師が控えめに吸引することは容易といえます。反対に、控えめにしか吸引出来ない医師がギリギリまで吸引することはできません。

クリニックの見極め方


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多くの患者様は脂肪吸引の結果に「こんなものかな」という位に納得しているケースがほとんどなのですが、中には不満を持ち当院に再手術を希望して来院される患者様も少なくありません。最初に申した通り、脂肪をゼロにするという事は現実的に不可能です。そして、どの程度が取り残しで、どの程度が十分なのかというのは、患者様の求めるものにもよりますし、患者様が取り残しと感じたからといってその脂肪吸引が失敗という事にはなりません。

大事なのは、患者様がこれらの知識を持って、クリニックを選ぶ際に、自分の希望と照らし合わせて選別できるかという事が重要になります。
HP上などでの宣伝は、どのクリニックも良いことが書かれています。HPだけで、患者様が見極めることは難しいと思いますので、以下に当院なりの見極め方を記載しますので、参考にされると良いと思います。

【1】ボディラインを重視した脂肪吸引を強調しているクリニック

絶対ではありませんが、このようなクリニックは脂肪吸引量が少ないケースが多いでしょう。

当院においてもギリギリまで、吸引するからといってボディラインを無視しているわけではありません。
残すべきところは残して、取るべきところをギリギリまで吸引するのです。

下記によくある患者様のボディライン希望例:【内腿に隙間が欲しい 膝周りの脂肪が気になる まっすぐなラインにしたい】を内側部分の吸引を例に挙げ【吸引量が少ないクリニック】で受けた場合のケース【当院】で受けた場合のケースを交えてを説明します。

吸引量が少ないクリニック

他院

こちらで受けられた患者様以下のような不満を感じるケースが多いです。
・内腿のお肉がまだつまめる、残っているという不満。
・膝周りがスッキリしていないという不満。

当院の脂肪吸引

水の森の場合

当院で受けられた方が実感できることは以下の通りです。
・内腿はギリギリまで吸引するため、隙間もでき、患者様もこれ以上は取れないということを実感できる。
・膝周りもしっかり吸引するためすっきりする。
・中間の部分は少し残すことで、まっすぐなストレートなラインを作る。
・ギリギリまで吸引しつつも、ボディラインを作り上げる。

ギリギリまで吸引したからボディラインを作れないという事ではないのです。むしろボディラインを重視しているというクリニックに限って吸引量が少ないケースが多いといえます
仮に、術後に患者様が取り残しの不満を訴えたとしても、クリニック側は「ボディラインを重視しているのでこれ位が丁度よい」という説明になるだけでしょう。

このようなケースが多いという事を念頭に入れて、カウンセリングを受けてみると良いかと思います。

一部の大手クリニックでは、十分な吸引が出来ない新人医師が多いため、患者様の希望に合わせて新人医師の場合はボディラインを重視した先生、ベテラン医師はしっかり吸引することを重視した先生などと説明して、新人医師にも症例を経験させているという例もあります。

【2】術後の負担が少ないと宣伝しているクリニック
上記でも説明をしたように、皮下脂肪層までしっかり吸引を行えば、多少なりとも毛細血管がダメージを受けるため、ある程度の出血はします。LFDしか吸引しないのであれば、そこには毛細血管はありませんので、出血も殆どしません。術後の負担も少ないといえます。脂肪吸引の吸引過程というのは、まずLFDの層を吸引して、次第に皮下脂肪層を吸引していくという流れです。その為、はじめのうち殆ど出血はありませんが、途中の皮下脂肪層の吸引あたりから多少の出血をするという過程です。よく見かけるのは、実際に脂肪吸引の吸引した脂肪をHPに掲載して、最新の機械を使用しているから、あるいは技術があるから、殆ど出血しないなどと説明しているのを見かけます。これは、LFDのみの吸引あるいは、LFDに加え少量の皮下脂肪の吸引程度で、十分な吸引をしていないだけです。

脂肪と血液のイラスト【修正分2】

画像で見る限り、結構な量の脂肪が出血なしに取れているように感じます。
しかし、この患者様が仮に、凄く足が太く沢山脂肪が付いている方だとしたらどうでしょう。本当は5000cc位の脂肪がある方なのかもしれません。いくら3000cc吸引したといっても、2000cc残っているのであれば、患者様は術後の取り残しを実感するはずです。

すなわち、こういったアピールをしているクリニックは、吸引量が少ないという事が想定されます。
あるいは、オプションなどで最新機器などを勧めるための宣伝材料のケースもあります。
良くあるケースとして、ベイザー脂肪吸引は、血管や神経を傷つけずに90%の吸引が可能などという宣伝ですが、そんなことはありません。
これらの事も参考にして、カウンセリングを受けてみると良いでしょう。

まとめ

実際多くのクリニックでは、60~70%位の吸引が殆どです。ベイザーなどを使用して90%の脂肪が取れるなどという宣伝文句も広告のPRにしかすぎません。実際に、90%の脂肪を的確に吸引していく為には熟練した医師の技術以外にはありません。

又、患者様の傾向として、多くの方がもう取れないというところが術後の満足地点です。勿論患者様によっては、控えめに吸引したいという患者様もいらっしゃるため、皆がしっかり吸引したいという患者様ではないのも確かです。しかし、この記事のタイトルを見て読まれる方のほとんどは、術後の取り残しに不安を抱いている患者様のはずです。

今回の記事を参考にして、自分の行うクリニックが自身の希望に合っているのかを、注意してカウンセリングを受けてみると良いでしょう。

この記事で取り上げている脂肪吸引の施術について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

脂肪吸引の施術(水の森美容外科 公式サイトへ)

2017.10.10

痩身・ボディ