糸のリフトはやってはいけない手術
2017.09.13
手軽さと種類が豊富で人気の「糸のリフト」。
だけど若返りにも限界がありますよね。効果が長続きしなかったり、トラブル、失敗を招くこともあります。
そこで今回は、糸によるリフトアップ治療について詳しく解説していきます。
急増するアンチエイジング治療
手軽な施術から本格的な治療まで
美容外科のニーズが増えると共に、アンチエイジングの治療を受ける患者様も大変増えております。
手軽に出来るヒアルロン酸やボトックス治療に始まり、本格的な手術から簡単に出来る糸の手術、再生医療など美容外科で行うアンチエイジングには様々な治療があります。
手軽に若返るなどのキャッチフレーズには注意が必要
一見様々な治療があるように見えますが、その中でも本当に効果の出る治療は限られています。広告上では、一見聞こえの良い手術も、実際に受けてみると効果がなかったりするものも多々あります。
患者様も、広告のキャッチフレーズに惑わされず、治療の内容を見極めてから選択しないと、あっという間に無駄な治療費がかさんでしまうのがアンチエイジングの治療です。
代表的なのが糸のリフト
糸のリフトとはどういった治療なのか
糸のリフトとは、顔の中に糸を入れて引っ張るだけの簡単な手術で、手軽に若返ることが出来るという宣伝で多くの方が治療を受けているのではないかと思います。
糸のリフトは針穴から糸を入れて引っ張るだけですので、特別な解剖知識も必要ないですし、医師でなくても1回見れば誰でもできてしまう位の治療です。
より魅力的に見えるよう様々なネーミングがあるが、どれも大差ありません
糸の手術が出てきたのは約10年前です。
この糸の手術のネーミングは美容医療の業者やクリニックが付けています。また、業者やクリニックは患者様の興味を引くため、他院との差別化を図るために様々なネーミングを付けて市場に出しています。
しかし治療原理はすべて同じで、ネーミングが違うだけで、どの治療も行っている事は大差ありません。
現在では色々なネーミングがありすぎて、何が何だかわからない状態になっていますね。
糸の手術の原理
糸のリフトは理論的に成り立たない手術
フェイスラインがたるんでくると二重あごになったり、輪郭がぼやけてしまい太ったように見えますよね。
患者様が気にしているこのタルミとは、皮膚が余っている状態の事を言います。
糸で余った皮膚を引っ張り上げるのは良いですが、余った皮膚はどこに消えてしまうのでしょうか? 皮膚を剥離して引っ張り上げて、余った皮膚を切り取るフェイスリフトは、理にかなっている手術です。
しかし、フェイスリフトは解剖学的知識や、高度の技術も要するため、行える医師も限られています。そもそもフェイスリフトの手術とは違い、糸のリフトとは理論的に成り立たない手術なのです。
皮膚の引きつれは数ヶ月で元に戻る=フェイスラインのタルミも戻る
フェイスラインのタルミを引っ張る際には、毛の生え際あたりから糸を入れて頭側に引っ張り上げるのですが、引っ張り上げることによりヘアーラインの付近で皮膚がダブつくことになります。
服の余った袖をたくし上げることをイメージすると良いでしょう、たくし上げた部分に袖の余りが集中するはずです。まさに、糸の手術とは、袖をたくし上げた状態を作り、タルミを引っ張り上げる手術になるのです。
【引き上げにより皮膚がダブついた様子】
その為、引き上げた分だけの余りが引きつれとなり、ヘアーラインのあたりに出来ます。
この引きつれを髪の毛でごまかしておくことになりますが、一生髪の毛でごまかしておくわけにはいきません。
ですが・・・その心配は無用なのです。
「どうして無用なの??」
皆さん疑問に思いますよね。
実は、皮膚の引きつれはちゃんと数ヶ月で元に戻るんです。つまり、引き連れが戻ってくれるという事は、同時にフェイスラインのタルミも元に戻ってしまうという事です。
つまり、全く意味のない手術なのです
患者様によっては、手術を受けたばかりは確かに引きあがっているので、数ヶ月で元に戻った時点で再度糸を追加しに行く方も多いようです。しかし、これを数回行う事により、意味がない手術を繰り返しているという事に気づくのです。
効果もなくトラブル続出なのが、糸リフトの実態です
この時点で数十万円の費用だけが無駄に消えていってしまったという事になります。
又、引きつれがわからないように髪の毛の中で引っ張り上げる医師もいますが、これではフェイスラインから遠いところで引っ張るので効果は出ません。糸の手術を行ったけれども全く効果が実感できなかったという事に繋がります。
更に、頭皮内に埋め込んだ糸が出てくるというトラブルも続出しております。
この糸は、引っ張るためにギザギザの糸になっていますが、このギザギザによって痛みが取れないというトラブルも続出しております。
以前に大手のクリニックで、効果がない、痛みが取れない、糸が出てきたなどのトラブルで集団訴訟になっているというニュースも知っている方は少なくないと思います。
こういったトラブルを背景に、溶ける糸を入れて引っ張るという手術も出てきました。
溶けた糸は、皮膚の中で瘢痕(はんこん)になってタルミの引き上げをキープしてくれると宣伝されていますが、その程度の瘢痕でタルミの引き上げがキープされることなどありません。
結果は、殆ど効果がないというだけの手術です。
このように、効果の出るはずのない糸の手術が、クリニックの収益の為だけに、様々な聞こえが良いだけの改良を重ねて今に至るのが、糸のリフトの実態です。
自分自身でしっかりと治療内容を理解し、聞こえのいい宣伝に惑わされないようにしましょう
糸で引っ張るだけで手軽に若返るなら、誰でも行いたい手術です。
しかし、そんな簡単に若返るなら、世の中にタルミのある人は殆どいなくなります。
手軽に出来るヒアルロン酸治療などでも、正しく行えば十分若返りますが、手軽な治療だけで、気にしているタルミが全部解消できればそんな簡単な事はないのです。
患者様が気にしている部位の中には手術でないと治せない部分もあります。
注射などで簡単に治せる部分もあれば、手術でないと治せない部分もありますので、患者様も良く治療内容を理解して、自分の出来る範囲の中で治療を選択していくことがとても大事になります。
こちらの動画では、アンチエイジングの治療に対する考え方を、わかり易く解説していますので、是非ともご覧ください。
《アンチエイジング(若返り治療)の考え方》
※当院HPメディア情報【TV・雑誌 出演情報】より引用
アンチエイジングの治療で大事なのは、無駄な治療はしないという事です。
糸の手術や再生医療など、美容外科が宣伝するアンチエイジング治療には、聞こえが良いだけで効果のない治療が数多く宣伝されています。
こういった治療を受けてしまうと無駄に何十万というお金を浪費してしまいます。
本当に良いと思われる治療を選択する際の足かせとなってしまう可能性もあるため注意が必要です。
「糸のリフト」4つの医療問題
1、日本人はプチ整形を好む気質にある
一つは美容外科医師の技術のレベル低下、もう一つは日本人のプチ整形を好む気質にあると思います。美容外科のニーズが増したとは言っても、韓国のように大半の人が手術を受けているのとは違います。
多くの日本人は外科的な手術より手軽に出来るプチ整形を好む傾向にあります。
すなわち、糸の手術は日本人にとって、とても受け入れられやすい手術なのです。
美容外科の治療とは、医師が行うものです。
医師は、人体の解剖を学び、正しい手術や治療を習得するために厳しいトレーニングを積まなくてはいけません。一人前の医師を育成していくというのはとても大変な事なのです。
2、正しい医療技術を学べるクリニックが減っている
最近では正しい医療技術を患者様に対して行っているクリニックも少なくなり、新しく美容外科を志す医師達が、しっかり学べる医療機関が殆どないというのが現実です。
その為、美容外科医は増えたものの、正しい手術を行える医師というのはむしろ減ってきています。
3、営利目的のクリニックが増加している
手術を受ける患者様は、数少ない腕の良い医師のもとに集まりますが、その中の多数の患者様は簡単で手軽な手術を好む傾向にあります。そのような心理傾向から、患者様の好む簡単な施術を未経験医師に覚えてもらい、手術をこなし儲けているクリニックがあります。また、広告宣伝で集客した大量の患者様の手術をこなすことで成長してきた大手の美容外科もあります。
4、未経験医の知識不足
未経験から入ってきた医師は、自分の行っている手術が正しいか正しくないかの判断も出来ないため、美容外科はこういうものだという感覚で手術をこなしています。
上記は、現状の美容外科業界の問題点であると思います。
患者様が、今後安心して治療を受けられるようにしていくには、こういった風習を排除していかなくてはいけません。問題点を改善していく為には、患者様が正しい情報を得て、見極める厳しい目を持つことが必要になってくるのだと思います。
水の森美容外科公式HP フェイスリフトの詳細はこちらよりご覧ください。
-
ご自身で正しい情報を身に着けましょう!頬や顎のタルミが気になる方にはフェイスリフトが最も効果的な手術です。
又、技術的には高度な手術となりますので、正しい術式で行っているクリニックは少なく、医師の技量によってによって手術効果も変わってきますので、病院や医師選びが重要です。
当院HPでは、アンチエイジング治療について詳しくご説明しておりますので、是非とも御参考下さいませ。
2017.09.13
そういった患者様の心理を利用して、手軽に若返るなどのキャッチフレーズで、実際には効果の出ない治療が沢山宣伝されています。