インターネットの口コミはどう見る?
2017.05.01
気になるクリニックを見つけた時に…、どこのクリニックがいいのか迷った時に…、インターネット上に書かれている口コミは実際に施術を受けた方の声として参考になります。しかし、口コミで分かる美容外科の良し悪しはすべてが正しいとは限りません。今回は、インターネットの口コミをチェックする際に気をつけておきたいことをご紹介します。
クリニック選びの重要なツール
情報が氾濫する中で、インターネットでは様々な業界の口コミが見れるようになりました。
自分の行きたいお店の情報を調べる際に、口コミサイトを参考にされている方も多いかと思います。
美容外科も同様に、インターネット上では様々な口コミサイトで、情報が得られます。
良い意見もあれば、悪い意見もありますが、投稿者の顔が見えないためすべての情報に振り回され一喜一憂してはいけません。
あくまでインターネットの情報は、「誰がどのような目的で書いているのか」がわかりませんので情報の参考程度にすることが望ましいといえます。
とはいえ、インターネット上の口コミは、クリニックを選ぶ際の重要なツールとしている方も多いはずです。インターネット上の口コミを見る際には、以下の事を理解した上で、参考にされると良いでしょう。
口コミを見る際に理解しておくべき3つの事とは?
①良い口コミに対する評価
クリニックの口コミを調べていると、良い口コミを沢山目にするかと思います。
しかし、インターネット上の口コミは誰もが投稿することができるため、良い口コミすべてを信じて良いわけではないということに注意して頂きたいと思います。
- 良い口コミを投稿するケース
- 本当に感動した事実を伝えたいと思い投稿する
- ポイントやキャッシュバックなど特典を受けるために投稿する
- モニターとして依頼されて投稿する
など、投稿する方の動機は様々です。
たとえばご自身が「モニター」として口コミを投稿する事になった際、悪い口コミを投稿するでしょうか。おそらく、「安く施術してくれた」「お世話になった」など様々な感情が働き、「なるべく良い面を伝えよう」と考えるのではないでしょうか。
少し話は逸れますが、以前「ステマ」という言葉が流行り、多くのサイトが取り締まりの対象となりました。それ以降「ステマ」という言葉を知り、可能性を疑う消費者の方は多いのではないかと感じています。
しかし、現在の美容外科業界、特に各地に医院を展開しているクリニックの場合は、わざわざ「ステマ」をしているケースはないように思えます。
②限界のある「ステマ」の集客効果
自作自演で効果がありそうな「ステマ」をなぜ行わないか?
―― おそらくある程度の規模の美容外科になってくると、良い口コミを自身で書き込むことによる集客効果に限界があるから。
中には小さなクリニックで目先の集客を求め、良い口コミのみを公開する、という事実もあるかもしれません。
しかし、例えそのような事があったとしても、サイトを見ている患者様も、投稿されたサイトの運営側も、投稿者に張り付いて、事実かどうかをチェックする、ということは不可能です。
そのため、実際口コミを見ただけで「どの口コミが事実か」を見極めることは極めて難しいことだと言えます。
もし、カウンセリングを受けたクリニックが、口コミの印象とあまりにもズレていた場合は、一旦冷静になったほうが良いかもしれません。
クリニック側としては悪い口コミによるイメージダウンを恐れます。
そのため、多額の資金力がある場合、様々な手段で悪い口コミがインターネットの検索上に出てこないような施策をすることも可能だということも事実です。
③悪い口コミに対する評価
どちらかというと患者様は、悪い口コミに影響される傾向が強いように思えます。
美容外科の治療ですので、誰もが失敗はしたくないはずです。そのため、悪い口コミに関しては敏感に反応してしまい不安になってしまうのも無理はありません。
ただ一つ言えるのは、美容外科に限らずこの世は人と人との関係です。
100人が行って100人が満足という事は、どのような会社やサービスであっても起こりえない事です。また同じ結果になったとしても受け取る側の性格は十人十色です。
又、患者様には気分を害してしまう発言になるかもしれませんが、患者様からすれば良い病院、悪い病院があるように、クリニック側からしても良い患者様、悪い患者様がいるのが事実です。「悪い患者様」というと誤解を招いてしまうかもしれませんが、ここでは、
- 一方的な意見ばかりを述べ、医師の話を聞かない
- カウンセリング時にデメリットを説明しているにも関わらず、内容を忘れてしまう
- ご自身のこだわりが強く、満足度の閾値が高すぎる
など、コミュニケーションがうまくとれず、トラブルに発展してしまう可能性のある患者様の事を指します。
実際に、悪い口コミの投稿に関しては、このような患者様が関与しているケースが多いようにも思えます。冷静に自分に例えて考えてみると良いと思いますが、悪いサービスを受けたとしても、大半の方はわざわざ批判的な内容を書き込んだりするまでには至らないかと思います。
すなわち、そのような書き込みをする方というのは、元来満足度の閾値が高すぎたり、ご自身の不満を情報として発信してしまう確率が高いのです。実際に診療をしていて、他院での修正依頼も含め失敗例を目にすることはしばしばございます。
しかし、ほとんどの患者様は、そのクリニックの失敗例を悪い口コミとして書き込んでいるような気配はありません。純粋にそのクリニックにはもう行かないというだけで、新たなクリニックを探してご来院しているように思えます。反対に、失敗ではないのに、ご自身の気に入らないという主観的な意見を一方的に書き込んでしまうケースのほうが圧倒的に多いといえます。悪い口コミの中でも以下のような例に関しては、上記に述べたような患者様が関与している確率が高いとも言えます。
失敗ではないのに「失敗」だと感じてしまうケースとは?
①クリニックを名指しで誹謗中傷していたり、一方的に失敗されたと書き込むケース
本当に失敗なのかどうかは不明ですが、クリニックを名指しで書き込む裏には、クリニックの評判を下げてやろうという悪意が存在するのではないかと感じます。
②経過の段階で、パニックになってしまうケース
手術を行った際には、結果が出るまでの経過期間があります。
術前に説明を聞いていたとしても、実際に腫れや内出血などがあると、患者様は精神的に不安定になる方もいらっしゃいます。
そういった患者様が経過の段階で、書き込んでしまったりするケースもあります。
③「何に対しても満足の出来ない」体質の方が書き込むケース
世の中には、「どんなものを手に入れても満足しきれない」という方もいらっしゃいます。
満足度の閾値は人それぞれかと思いますが、かなり細かく微妙なところまで気にされる患者様もいらっしゃいます。
こういった患者様は、きれいになったことよりも、わずかな不満点ばかりが気になってしまう傾向があります。
提供し提供される「サービス」
この世の中には、物を提供する側と提供される側が、共に存在して社会が成り立っております。
お仕事をされている方であれば、皆、サービスを提供する側になることもあれば、お仕事以外で、お客としてサービスを提供される側になることもあるのです。
すなわち、お客とお店は共に必要な存在で、互いに誠意をもって触れ合わなくては、世の中の良い仕組みは出来上がりません。「お金を払っているから何でも自分の思い通りに意見を通そう」と考えてしまうと、そこにはひずみが生じます。
美容整形に対する口コミに関しても、満足がいかない点があった時に、クリニックに対する批判を書き込んでしまう気持ちもわかりますが、自分の主観のみの一方的な批判は、次に真剣に美容整形を考えている方に不安を与えてしまう事にもつながりかねないという事は考えて頂きたいものです。
口コミを見て足を運ぶ事の大切さ
インターネットの普及で、様々な情報が得られるようになり便利になりました。
しかし、インターネットには情報が混在し、間違った情報もたくさん溢れています。
インターネットで情報収集することは大事なことですが、すべてを鵜呑みにしないことが大事です。そして、最後は自分でクリニックに足を運ぶ労力を惜しまないことが、良いクリニックを選ぶにあたり必要不可欠であると思います。
2017.05.01