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「二重になりたい!」と願う患者様のお悩みに対して、埋没法は身近な治療法です。
しかし、クリニックによってさまざまな手術方法や術名があるため、埋没法を検討されている患者様にとっては迷ってしまう要因です。
今回の記事では、埋没法の留め方やその違い、糸の本数を増やしたことによる術後の結果などについて見ていきます。

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患者様のお悩み

埋没法の3点どめか2点どめかで悩んでいます。先日、2つのクリニックにカウンセリングに行ったのですが、

A 3どめの永久保証(幅広く平行なら2点留めでは微妙なので…。とのこと)
B 2どめの1年保証(このクリニックでは最長)。何故3点留めをやるのか分からない。学会や医師の勉強会でも3点どめや4点どめは習わない」

と、クリニックによって留め方や説明が違います…。

初めてなので尚更何が良いのか、どちらが良いのかサッパリ分からず、しかも値段も倍以上違うので悩んでいます…。

A 3点どめ永久保証→14万円(マスキン針?凄い細くて痛みや腫れが少ない。2,500円はサービス)
B 2点どめ1年保証→約7万円(6万8000円位)

また、Aのクリニックは口コミが投稿されているのですが、Bのクリニックは口コミ数が少ないため比較できません。
経験者の先輩方々、詳しい方、色々アドバイス、経験談をお願いします!

※患者様からのご相談より

今回のお悩みは、複数のクリニックでカウンセリングを受けたけれど、各クリニックでの説明やサービス内容が異なるため、迷っているようですね。
さらに、クリニックを比較する情報も少ないため、二重埋没法を受ける際に悩む方は非常に多いと思います。
いかにどのように比較したらいいのか、医師の見解を交えて二重埋没法の裏事情をお伝え致しますので参考にしてください。

手軽な「埋没法」の落とし穴

埋没法の手術は、瞼に糸を通すことで二重の仕組みを作ります。
簡易的に出来る手術なので、とても魅力的な手術ですが、糸でとめているだけですので、とれてしまう可能性もあります。
患者様の立場になって考えると、簡単に二重にすることが出来る埋没法は魅力的ですが、「絶対に取れない」、あるいは「取れにくい埋没法」があれば良いと考えるはずです。
こういった患者様の心理を逆手にとって、各クリニックが様々な商売をする傾向にあります。
患者様も、ある程度の知識を持っていないと、不必要な治療を選択してしまうリスクもあるので注意が必要です。

「二重埋没法」とは?

まず、二重埋没法について解説します。
下記の図のように、瞼に糸を通すことで、二重の仕組みをつくることが出来ます。 通常、片目2点の糸をかけます。
希望の二重幅の位置を下図のように糸でくくります。 目のイラスト1【20160914】

正面からみると下図のように糸が埋め込まれています。

目のイラスト2【20160914】

糸の本数を増やすと「取れにくい二重」になるのか?

この糸の本数を増やすことで、二重が少しでも取れにくくなるのではないかと考える患者様が多いようです。
その為、クリニックによっては、別料金を加算する目的で3点どめを勧めるクリニックも少なくありません。

しかし、埋没法の糸を増やしたからと言って、取れにくくなる確約は全くありません。
行き過ぎたクリニックであれば4点どめなどを勧めるケースもあるようです。
実際に瞼に4点も糸をかけるというのはスペース的にも無理がありますし、術後に異物感などの弊害も出てくる可能性もございます。
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糸が増える事で生じるリスクとかけ直しの限界

埋没法の手術は、むやみに糸を増やせば目の表面がボコボコしてきたりするリスクもあります。

厳密な規定はありませんが、上記リスクなども踏まえると、2点どめの場合、埋没法は3~4回くらいまでがかけ直す事が出来る限界なのではないかと思います。

仮に2点どめの場合ですと、取れた時にかけ直したとしても、計4点の糸が埋め込まれている事になります。
3点どめで考えると、取れた時にかけ直すと、すでに6点の糸が埋め込まれている事になるのです。
実際に取れた時にかけ直せばかけ直すほど、瞼に埋め込まれる糸の本数が無意味に増えるだけになるのです。
目のイラスト4【20160914】 目のイラスト5【20160914】

そう考える4点どめなどは、とんでもない事です。

【2点どめの場合】2本(1回目)+2本(2回目)=4本 【3点どめの場合】3本(1回目)+3本(2回目)=6本
【4点どめの場合】4本(1回目)+4本(2回目)=8本 
←2点どめ4回分!!

クリニックによっては、実際の施術内容とは異なる「名称」を用いていることもある

本来クリニックは、患者様の将来の事も考え提案しなくてはいけません。
しかし、美容外科業界では、差別化を図るために、様々な事を考えるクリニックがあります。

どのような事例があるのか、以下に紹介していきます。

①糸の本数ではなく針穴の数を伝えているクリニック

埋没法の糸を埋め込む際には以下のように、糸1本につき2つの針穴が出来ます。
目のイラスト6【20160914】

通常でいえば、これは1点どめなのに、2点の針穴ができることから2点どめと説明するケースがあります。

目のイラスト7【20160914】

4つの針穴ができるため、4点どめと説明するケースがあります。
このように、針穴の数を患者様に伝えているのです。

すなわち、患者様が2点どめだと思っていたものが、実は糸が1本しか入っていないという事になります。

クリニックの目的としては、1点どめの安価な料金を掲載することで集客を試みます。
しかし、患者様もインターネットの情報で、ある程度知識のある方も多いので、値段が安くても1点どめでは集客できません。 その為、本来1点どめなのですが、針穴の数で本来の1点どめを2点どめと説明しているのです。
後は来院した患者様に、糸2本入れる通常の手術を4点どめなどと説明し、より取れにくい埋没法として料金を加算して、営業をするという仕組みです。

完全に言葉のマジックですね。
こういった説明をしているクリニックもありますので、患者様も、手術を行う際には実際に針穴ではなく糸の本数を確認しましょう。

②1本の糸で、針穴だけを増やして、針穴の数を伝えている

通常、2点どめの場合、下記のように糸が2本うめこまれています。
目のイラスト8【20160914】

次のイラストは、糸は1本で、3つのノッチをつくることで「3点どめ」と伝えているケースです。

目のイラスト9【20160914】
上記のように糸は1本ですが、針穴を増やすことで引っ掛かりを多くして取れにくいという説明をするようです。
また、1本の糸を入れているだけですが、患者様には3点どめ、あるいは両目でカウントして6点どめと説明したりします。
「特殊な縫い方をしている」、「6点もとめている」などという説明で特別感を演出し、高額な料金設定になっていたりしますが、実は糸1本で針穴を3つにしているだけの手術です。

医師が縫い方に工夫をしてみるという姿勢は大事な事です。 しかし、このようにかけたから取れにくいという優位性はあまりないでしょう。

どちらかというと、高額な手術に誘導するためのパフォーマンスとして利用されているようには思えます。

「取れにくい埋没法」は存在しない!

美容外科の広告で「取れない埋没法」「取れにくい埋没法」などという宣伝を見かけることがあります。

まず、患者様が知っておかなくてはいけないのは、取れにくい埋没法などというのは存在しないという事です。

当院でも年間数千例という埋没法を行います。
埋没法を行った患者様が、いつどの時点で取れているのか、あるいは取れていないかなどのデータをとることなどは不可能です。
もし、「いつ」「どの時点で」「どのくらい」の埋没が取れているか、を知るには・・・

「毎日、埋没法を行った数千人の患者様に電話で確認する」

など、正確に測定しない限りはデータをとることは不可能です。
すなわち、これらの広告宣伝は「言った者勝ち」という事なのです。
とれる確率が0.001%などと説明しているクリニックもあるようですが、実際に行って取れたとしても、「貴方は0.001%になってしまった」と言われればそれまでです。
埋没法は、簡易的に糸でとめているだけですので、どのような方にも取れる可能性はあります。
しかし、取れる方もいるというだけで、皆がとれているわけではありません。 どちらかというと、取れていない患者様のほうが圧倒的に多いといえます。

その為、むやみに3点どめを勧められたとしても、冷静に判断することをお勧めいたします。

重要なのは宣伝ではなく「医師の技術」

埋没法は、糸でとめるだけの簡易的な手術ですが、とても奥の深い手術です。
腫れないように、綺麗なラインを作成していく為には、手術工程の中で細部にわたり細かな工夫が必要にはなります。
又、患者様の希望に沿った二重幅を提案する際にも、正確にシュミレーションする技量も必要です。 行う医師によっても仕上がりにも大きな差が出てくる事にはなります。
しかし、今の美容外科業界は、医師がこういった工程に切磋琢磨するのではなく、如何に患者様に聞こえの良い宣伝をするかばかりに目がとらわれているような気がします。
その為、患者様も正しい知識をもって、クリニックの宣伝に惑わされないようにしなくてはいけません。

2017.07.04