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現状の美容外科では、患者様に高い手術をすすめるかという営業要素が強く、さほど違いの無い手術方法にネーミングを付けて様々な高額なプランへと誘導する商法が増えております。ダウンタイムが少ないなどと言って高額なプランに誘導する場合もあるので、検討される場合はその違いの説明をしっかり受けましょう。当記事では、様々なネーミングやオプションを見極める際に何が大切なのかをご紹介していきます。

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インターネットで目にした見た患者様のお声

今日〇〇クリニックに埋没法をやりにいったのですが、とってもモヤモヤすることがあるので質問させていただきます。

カウンセリングと施術を一日でお願いするということで、電話でも話がついて
いました。もちろん目の状態を見てどのプランにするかは決めるものなのだと思いますが、

一番安いスーパークイック法というものは、おすすめしません。というかできません。
安全ではないので。

とかたくなに断られました。

“あなたの目にはできません”だけならわかるんです。確かに私のまぶたはアイプチを3年もやっていたので延びていますし、もともと皮膚が弱いので炎症を起こしていました。

でも、ホームページに堂々と載せてあり、しかも金額重視の方向け!とまで書いてあったんです。
私も高校生なので予算が厳しく、どうしてもスーパークイック法(一番安いの)でとお願いしたのですが、やらない、できない、すすめない、。と。

しかもホームページのスーパークイック法の症例ビフォーアフターのビフォーの女の人の目は、私より重い一重まぶたです。

じゃあなんでホームページの一番上に載せてるんだよ!!!!!

しかもカウンセリングの人と医師は別の人。ネットでも調べてから行ったのに、何度も何度も二重埋没法の種類の違いを説明してきました。

保証を付けるに当たって、とれるとわかっているものを施術することはできないんです。

というカウンセラーの話はわかりました。
でも医師の、

目の前にもっといいものがあるのに それより悪いものをすすめることはできません。

には、「は?」となりました。
先ほども言いましたが、「じゃあなんでホームページに載せる?」と感じてしまいます。

ほんとにむかつきました。
カルテ? のようなものに書かれて診察券も勝手に作られましたが正直いらないので捨てようかと思ってます。

なんでホームページに載せてるんですか?
やはり美容外科はどこもそんな世界なのでしょうか?

いい経験にはなりましたが、流されて高い埋没法の契約しなくてよかったです。

私が間違っているのでしょうか?これが美容外科業界の常識ですか?
それともやはり高いものをすすめてお金をとろうと考えているんですか?

※患者様からのお悩み

上記の例はかなり悪質な例かと思います。しかし程度の違いの問題で、このような事を行っているクリニックは非常に多いというのが現実です。
患者様も、見極める目をもっていないといけません。
以下に、詳しく解説しておりますので、患者様も正しい情報のもとで、良いクリニック選びをして頂ければ幸いです。

「二重埋没法」のネーミングについて

何故クリニックは様々なネーミングをつけるのか?

患者様がクリニックのホームページ(以下、HP)をみていると、二重埋没法の手術に様々なネーミングがついているのを見かけるかと思います。
しかし、このネーミングはクリニックが勝手に名付けているだけで、何ら特別な方法というわけではありません。

クリニックが、差別化を図るために独自のネーミングをつけているだけで、特別な方法というわけではありません。

クリニック自身が独自のネーミングをつける事自体は何ら悪い事ではありません。
良くないのは、たいして変わりのない手術をネーミングでランク分けして、高い手術に誘導する営業手法をとるクリニックが多いという事です。

又、「特別な糸を使っている」「特殊な針を使っている」その他さまざまな営業トークで、オプションをすすめて高額な手術に誘導するクリニックもあります。

大手の美容外科でも平気でこのような事を行っていますので、大手の美容外科だから安心という考えは要注意です。。

二重埋没法を検討している患者様は、クリニックから提案された内容に対して、
どのような違いがあるのかをしっかり見極める目を養うことが大切です。

二重埋没法に関するネーミングの良くある例

ベーシック○○法 9800円
ナチュラルクイック○○法     50000円
スーパープレミアム○○法    150000円

患者様がクリニックのHPで料金表を見たときに、このように何種類も、なんだかよくわからないネーミングがついている価格表を見かけたことがあるはずです。

  • ベーシック○○法はスタンダードな手術
  • ナチュラルクイック○○法はより腫れを少なくする手術
  • スーパープレミアム○○法は、より腫れが少なく取れにくい手術

などという説明がなされていたりします。

仮に100歩譲って、手術に使う材質を変えたり、手術工程に手間をかけているとしても、材料で言えば数百円、時間にしても数分の違いでしかないはずです。

その程度の違いですから、良い手術があるなら、その手術で統一すれば良いはずで、ランク分けする必要などないのです。

実際これらの手術は殆ど差異がないもので、無駄に高い料金を支払っているケースが殆どです。

様々な高額オプションへの誘導

「特別な針を使っているから痛くない、腫れない」
「特殊な糸を使っているから取れにくい」
「同時に脂肪取りを行えば、とれにくくなる」
上記のように様々な営業トークで巧みにオプションをすすめ、高い手術金額に誘導します。何故クリニックはこのような詐欺まがいの事を行うのでしょうか?

美容外科を利用する患者様も増える一方で、クリニックの数も増えています。
患者様がクリニックを選ぶ際には料金も重要視するはずです。

そのためには、ネーミングによる差別化に加え、広告掲載にはなるべく安い価格で提示して、沢山の患者様を集客したいというのがクリニックの本音でしょう。

しかし、その値段で手術はやってられないという事です。
更には、欲深く巧みな営業でより高い手術料金が欲しいという事になります。

行き過ぎたクリニックであれば、9800円で広告されているものが、いざ来院していると30万~50万になったりする事もあります。

HPの料金表を見たときに、このように二重埋没法の手術がランク分けされているようなクリニックは、多かれ少なかれ高額オプションへの誘導を行っていると思った方が良いでしょう。

クリニックがどのような姿勢で運営されているかも、このようなところから判断材料として頂くと良いと思います。

とは言っても現状、ほとんどのクリニックがこのような事を行っています。

実際に、このようなクリニックで手術を検討している患者様は、どのような違いがあるのかを見極める目がないといけません。

以下に二重埋没法の手術工程を説明しますので、その中で良くすすめられるオプション等について説明していきます。

二重埋没法の手術工程

【1】二重幅のシミュレーション

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専用のスティックを瞼に当てて、実際の二重幅をシュミレーションして患者様と共に作成する二重幅を決めていきます。
1ミリ程度で、少しづつ幅を変えて、患者様に確認して頂いた上で、ご希望の幅を選んで頂きます。

シュミレーションで大事なのは実際に完成した二重と同じような状態をスティクで再現する事です。
正しく再現しないと、患者様は希望の二重を正確に判断して選ぶことが出来ません。

スティクを当てる際に、患者様の目の開きに合わせて、実際に二重になった時と同じようなラインをシュミレーションしなくてはいけませんが、スティクの当て方などには熟練した技術を要します。

強く押しすぎても、軽く押しすぎてもダメで、患者様の目の開く力や、瞼の厚みに合わせて正確にスティクを使い再現することが大事です。
この再現が正確に出来ないと、患者様にも幅の提案やアドバイスが正確に出来ません。

こういった事が術後の患者様の不満足に繋がる要因となります。

【2】二重のデザイン

作成する幅が決まったら図のように実際の二重のラインをマーキングします。
マーキング

この際に大事なのは、決めた幅で自然に出来るラインを見極め正確にデザインする事が求められます。

実際に折れ曲がってくれるラインとデザインがずれていたりすると、シュミレーションとの誤差が出たり、不自然な二重になったり、取れやすくなったりする原因となります。
  • 正しいラインでデザイン➡キレイなアーチの二重に!

正しいデザイン

  • 正しいラインからずれると➡不自然なアーチの二重に!

結果として、腫れが気になったり、取れやすくなってしまいます。
不自然なアーチ①

不自然なアーチ②

次に左右を同じ幅で合わせていきます。

二重幅は1ミリずれると全然違うラインになるため、極力左右を同じ幅でマーキングしていかなくてはいけません。

正直、人間の目で見て行う手術ですから、左右寸分の狂いもなくというのは、医師にとって永遠のテーマでもあります。

患者様の目の状態も左右で条件が違う場合もございますので、皆が絶対左右寸分の狂いもなくというのは不可能ですが、当院では0.5ミリの左右差まで正確にこだわってデザインを完成させていきます。

【3】麻酔

デザインが決まったら次に、瞼の裏と表に麻酔をします。

麻酔は注入方法や、注入量によって、術中の痛みや術後の腫れに大きな影響を与えます。

麻酔の量が多ければ、腫れが強く出たり、術直後に目の開きが悪くなり左右差の判定などもしにくくなります。逆に、麻酔の量が少なければ、術中の痛みが出て、内出血や強い腫れの原因になります。

その為、“適切な位置”に、“適切な麻酔量”を打つ必要があります。
又、麻酔の注入時の痛みに関しても、麻酔の仕方により極力軽減させることが出来ます。

こういった麻酔の量や適切な位置などは、医師の技量によって結果が左右されます。
以下のようなオプションをすすめてくるクリニックもあります。
《良くあるオプション》
細い注射針を使う事で痛みを最小限にすることが出来るとして、数万円のオプション代金を追加する。

麻酔時の痛みというのは、注射針を刺す痛みではなく、局所麻酔剤が注入されるときの注入時痛によるものです。

元来、どのクリニックも細い針を使用しておりますので、それ以上に細い針を使用しても、そこまで大きな痛みの軽減はありません。
又、仮にその細い針を使用したとしても、その原価は数百円です。

【4】手術、縫合

瞼の裏から表にかけて糸を通すことで二重にしていきます。

通常2本の糸をかけていきます。
針を通した際に出血することもあるので、出血した際には的確に圧迫止血をすることで、内出血や術後の腫れを抑えます。
術後の腫れや内出血は、このような的確な手術操作によりもたらされるものです。

糸を通した後は、その糸を結びます。
結びが強かったりすると腫れますし、緩いと取れやすかったりします。

左右で結びの強さが違ったりすると、術直後の左右差を誘発する確率も高くなります。

すべてが医師の技量で決まる「二重埋没法」

《良くあるオプション》

  • 「特別な糸を使っているから取れにくい」
  • 「特別な縫合をしているから取れにくい」

などといってオプション料金の追加をすすめる。

特別な糸など存在しません。
とれにくい特別な方法などは存在しません。

上記に二重埋没法の手術過程を説明いたしましたが、読んでわかる通り、二重埋没法という単純な手術工程の中にも様々な医師の技量や工夫によって結果が左右されるのです。

因みに当院では、上記過程を徹底的にトレーニングした医師達が、細心の注意を払って手術を完成させます。

二重埋没法はまぶたに糸をかけて二重にするという簡易的な手術ですが、そこには医師の技量や知識、デザインなどの細かな工夫により大きな違いが出てきます。決してよくわからないネーミングや、オプションによって良い結果になるものではございません。


以上の手術工程を理解していれば、ネーミングやオプションによる手術方法の違いが本当にあるのか、あるいはどの程度のものなのかを、医師の説明からも判断しやすくなるはずです。

2017.05.05